高濃度ビタミンC点滴療法

15~75gほどの無添加ビタミンCを大量に点滴する治療法です。ビタミンCが免疫力の強化、メラニン色素の生成の抑制などの働きを持つことはよく知られていますが、多くの動物が自分の体内でビタミンCを作り出し、免疫力の強化に役立てることができるのに対し、人間は体内でビタミンCを作り出すことができません。我々はもっとビタミンCを摂取する必要があるのではないでしょうか。しかしサプリメントなどで大量に摂取しても、血液中の濃度がある程度まで上昇すると、自然に尿中に排泄されてしまいます。そこで、直接血中にビタミンCを入れることで効果を発揮する高濃度ビタミンC点滴療法が注目を浴びています。

アンチエイジングのために

「アンチエイジング」とは「老化を可能な限り予防し、健康で若々しく、そして美しく人生を送る」ということです。決して老化を否定することではありません。
高濃度ビタミンC点滴の効果は抗がん作用、免疫力増強、そして、美肌、美白効果と、生き生きとした人生を送るのに欠かせないものを補ってくれると考えられます。また、すでにがんにかかってしまった患者さんのQOL(Quality of life~生活の質)を改善するという報告が数多くあることから、がんという病気と共に生きる方のアンチエイジングにも役立つと考えます。アンチエイジングは健康な人だけのものではありません。すでに病気のある人であっても、今より少しでも楽しい毎日が送れるように努力することがアンチエイジングと言えます。

がんに対する補助療法として

2005年に、「高濃度アスコルビン酸(ビタミンC)点滴は、ガン細胞に対してだけ選択的に毒性として働く」という内容の論文が米国・公的機関/国立衛生研究所(NIH)から発表されました。そのメカニズムは次の通りです。ビタミンCは自分が酸化されることで強力な抗酸化作用を発揮しますが、その際に大量の過酸化水素が発生します。この過酸化水素がガン細胞を攻撃します。このとき正常な細胞は、過酸化水素を中和できるので害を受けません。2005年以降も次々と高濃度ビタミンC点滴療法のがんに対する有効例が発表されています。 こうした現状をみると、「がんに対して有効な治療法である」と言えるとは思いますが、効果は、臓器やがん細胞の種類などによって差があり、「誰にでも効く」といえるものではないと考えています。ただし、抗がん剤との最大の違いは「副作用がない」ということです。抗ガン剤が正常な細胞も攻撃してしまうのに対し、ビタミンCはガン細胞だけに作用するのです。そこで、前橋温泉クリニックでは「ガンに対する補助療法」と位置づけ、がんという病気とうまく付き合っていくためのひとつの手段と捉えています。 当クリニックの患者さんにも、画像上でがんの大きさが小さくなったり、抗がん剤による副作用を軽減させたり、といった効果が出た例があります。何よりも、患者さんのQOL(生活の質)を改善させることには役立つと考えています。以上のような考えに基づき、がんで治療中の患者さんの中でも、特に下記のような方にお勧めしています。

  1. 有効な治療法がないと言われた方
  2. 抗がん剤や放射線治療の副作用が強くて続けられない方
  3. 抗がん剤や放射線治療と併用し、副作用の軽減を図りたい方
  4. がん治療を一通り終えて、再発を予防したい方

前橋温泉クリニックでは、「高濃度ビタミンC点滴療法は、がんに対する補助療法」と位置づけています。手術、有効性の高い抗ガン剤、放射線治療に代わるものではありません。そういった治療が有効であると考えられる場合はそちらを優先するか、併用するべきだと考えています。また、できれば主治医の了解を得ていただくことをお勧めします。

インフルエンザなどのウイルス感染症の予防に

ビタミンCが免疫力を高めるのはよく知られている事実です。がん細胞に対する作用は、ウイルス感染症治療に対しても役立つと報告されています。風邪の予防や、ひき始め、治りかけだけどがんばらなければいけない時にも役に立ちます。

美白・美肌のために

よく知られているビタミンCの効果のひとつは「メラニン色素の生成を抑える」という美白効果です。美しくありたいという気持ちはそれだけで毎日を生き生きとさせ、楽しい人生を送る、というアンチエイジングのコンセプトに当てはまります。また、ビタミンCはコラーゲンの合成、皮膚、粘膜の強化にも役立っていることが知られています。肌のハリがよくなる、化粧のノリがよくなる、などの感想が多いのはこのためと考えられます。

その他の効果

疲労回復効果、抗うつ効果などが報告されています。

高濃度ビタミンC点滴療法の実際

目的別に使用する量は異なります。

●がんの補助療法目的の場合

初回
ビタミンC15g
G6PD欠損症検査施行(後述)
2回目以降
25g~75gを投与。
病状などによって使用量は異なります。
できるだけ血中ビタミンC濃度が350~400mg/dlになるように点滴します。

●美肌・美白目的、疲労回復目的などの場合

初回
ビタミンC15g
G6PD欠損症検査施行(後述)
2回目以降
25gで施行するのが一般的です。

点滴の頻度

補助療法なので特に決まってはいませんが、現在闘病中の方はできれば週2~3回をお勧めします。手術や抗がん剤治療など、一定の治療を終えられて現在状態が落ちついている方、再発を予防したい方は週1回~2週に1回をお勧めします。家系的にがん発症の可能性が高く、その予防目的の方は2週に1回か、月1回の頻度で受けられることをお勧めします。詳細は医師と話し合ってください。

*注:高濃度ビタミンC点滴療法が遺伝的ながんの発症率を下げるというエビデンス(科学的証明)はありませんが、誰の体にも毎日必ず発生するがん細胞抑えることで予防効果はあると考えられるため、お勧めしています。

G6PD欠損症検査について

G6PD欠損症とは、「グルコース6リン酸脱水素酵素」という酵素が先天的に欠損している状態のことをいいます。特に臨床症状を呈さないため、この状態のために症状や障害が出ることがないため通常は気付かれません。ただし、G6PD欠損症の方に高濃度ビタミンCを点滴すると、溶血反応(赤血球が壊されること)が起こることが知られています。このため、G6PD欠損症がある方には高濃度ビタミンCの点滴はできません。25g以上を投与する可能性のある方は、初回にG6PD活性を測定する検査を行っていだたきます。

高濃度ビタミンC点滴療法が受けられない場合

腎機能の悪い方、人工透析を行っている方、栄養状態の悪い方、脱水症状の方、腹水や胸水が多く貯まっている方はこの治療を受けることが出来ません。

副作用について

血管痛
ビタミンCは酸なので、稀に薬液が血液中に入ったときに腕に痛みを感じる方がいらっしゃいます。ほとんどの場合、速度を遅くしたり腕を温めることで改善します。
患部の痛み
稀に点滴後にがんのある場所が痛むという方がいらっしゃいます。ビタミンCががん細胞を壊死させるために生じると考えられています。疾患の悪化につながることはありません。
その他
重篤な副作用の報告はありません。

点滴にかかる時間

15~25g
30~40分
50g
1時間30分
63g
2時間
75g
2時間20分

左記はおおよその目安です。点滴が始まってからの時間です。患者さんのお顔を見てから準備を始めるため、クリニックにいる時間はもう少し長くなります。また、点滴時間は年齢や血管の状態などによって異なります。

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